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第16話: 柚のもうひとつの夢
柚の部屋はいつも整然としていたが、その日は少し違った。机の上には開いたノートパソコン、壁に貼られたメモ、そしてその横には手書きのスケッチが並んでいる。紅葉が彼女を訪ねたとき、普段落ち着いている柚が少しだけ焦ったように資料を片付けようとし... -
第15話: ファッションの多様性
夕暮れの街を照らす淡いオレンジの光が、冬木柚の机に置かれた資料をやわらかく染めていた。彼女の前には、一枚一枚異なる表情を持つファッションスケッチが並べられている。紅葉が描いたデザインだ。そこには、多様な素材、色、そして形が表現されており... -
第14話: サステナブルな日常を求めて
4人がオンラインで集まり、今回はサステナブルファッションの課題とその日常での実践について意見を交換することになった。テーマは「サステナブルな日常をどうやって楽しむか」。しかし、会話はいつしか、経済とファッションの複雑な関係にまで及んでいく... -
第13話: メンバーそれぞれの成長
サステナブルファッションプロジェクトが大成功を収めてから、数週間の時が過ぎた。桜子、紫陽花、紅葉、そして柚の4人は、それぞれの日常生活に戻っていた。しかし、彼女たちの心の奥底では、計り知れない未知への期待に胸が踊り、その情熱が少しずつ温度... -
第12話: 成功への一歩
メタバースでのバーチャル試着システムと、イベントでのファッションショーの準備が進み、4人はついにプロジェクトの最終段階に入っていた。システムトラブルを克服し、資金の壁を乗り越えてきた彼女たちのプロジェクトは、予想を超える形で成長していた。... -
スピンオフ: 4人でショッピング/ZARA編
秋風が心地よい午後、桜子、紫陽花、紅葉、柚の4人は、久しぶりにショッピングへ。今回は世界シェア№1のZARAで、それぞれのパーソナルカラーとトレンドを意識したアイテムを探すことに。ショップに足を踏み入れた瞬間、カラフルな秋冬の新作が彼女たちを... -
第3話:「わさびの避妊手術」
あの日、私には何が起こるのか全くわかっていなかった。いつもと変わらない朝で、けいととゆう子さんが優しく話しかけながら、私を抱きかかえていた。けいとの腕はいつも温かくて、私はその中にいると安心できた。けれど、その日は少し違った。けいとの顔... -
第2話:「保護猫だったわさび…」
13年前、私は保護親のもとで仲良しの虎猫と一緒に育てられていた。保護親は優しく、私たちは毎日安心して過ごしていた。しかし、その日、突然「里親募集のイベント」に連れて行かれることになった。車の中、虎猫は不安そうな顔をして私を見つめていた。私... -
第1話:「縁側でひなたぼっこ」
白猫のわさびは、ぽかぽかとした陽が差し込む縁側に寝そべり、心地よい温かさを感じていた。この場所はわさびにとっての特等席だ。年齢を重ねたわさびは、もうおばあちゃん猫だが、この縁側で日向ぼっこをしている時間は、一日の中で一番好きな時間だ。体... -
『猫のわさびが言うことには』はじめに
この物語の主人公は、14歳になる白猫のわさび。おばあちゃん猫だが、若見え。優雅さと落ち着きを持ち合わせた猫。腎臓に持病があり、週に何度か病院へ通いながらゆったりと日々を過ごしている。彼女の目に映る世界は、いつも穏やかで愛に満ちている。この...