避妊手術のあと、私は元気になった
避妊手術から少し時間が経ち、私はすっかり元気を取り戻した。お腹に巻かれていた包帯も外れ、痛みも感じなくなって、ようやく自由に動けるようになった。
何かが少し変わったような気もするけれど、それよりも、私はこの新しい生活にすっかり馴染んで、今では家じゅうを探検するのが日課になっている。
爪とぎの快感、やめられない
手術を終えた私は、ますます元気になって、日常の楽しさが戻ってきた。中でも一番好きなのが「爪とぎ」だ。
目の前には広がる真っ白な壁。ここは、絶好の爪とぎスポット。爪を当てて、シュッ、シュッと研ぐその感触がたまらない。
「わさび!また壁で爪を研いでるの?」
けいとの声がリビングから響くけれど、私は全く気にしない。壁の感触が、私の爪に心地よく響くのだ。爪が壁に食い込んでいく感覚――それは、最高のストレス解消でもある。
Cat Tip|爪とぎ被害を減らす2ステップ
- 壁沿いに縦型ポールを設置(壁と同じ高さにすると成功率↑)
- 壊れたクロスは思い切って「爪とぎ用」エリアに格下げ
人も猫もイラッとしない“共有ゾーン”ができる。
閉ざされた扉の向こうには?
ある日、私はどうしても気になる場所があった。それは家の奥にある一室。いつもドアが閉まっていて、私がどれだけドアをカリカリしても、入れてもらえない。
何があるの? どうして入れてくれないの?
その部屋の前には、プーのケージが置かれていた。
もしかしたら――あのケージを使えば、ドアノブに届くかもしれない。私は、こっそり作戦を立てはじめた。
作戦決行!ケージからのジャンプ
その日が来た。私は静かにプーのケージに飛び乗った。中ではプーがお昼寝していたけれど、私の気配に気づいて目を開けた。
「また何かやってるな」と言いたげな顔。でも私は気にしない。
ケージを足場に、なんとかドアノブへと爪を引っかけて開けようとした――その瞬間。
「ずるっ…!」
バランスを崩し、私はケージの上から滑り落ちて、ゴロンと床に転がった。プーは目を丸くして私を見たけれど、特に驚く様子もなく、またすぐに眠りに戻ってしまった。
二度目の挑戦、そして勝利
私は恥ずかしさをごまかしながら、再びケージに挑戦した。今度は慎重にバランスを取りながら、ドアノブに手を掛ける。
「もう少し…!」
ようやくドアが少しずつ開いた。
「やった!」
私は心の中でガッツポーズを決め、そのままドアを押し開けて、ついに中へと足を踏み入れた。
初めての部屋、その静けさ
部屋の中は薄暗くて、思っていたよりも特別なものはなかった。でも、その空間に入れたというだけで、私は大満足だった。
けれど、その喜びは長くは続かなかった。
見つかった…けど、怒られなかった
「わさび、またやってるの!?」
背後からけいとの声が響いた。びくっとして振り返ると、けいとが部屋の入口に立っていた。驚いたような顔をしていたけれど、次の瞬間、ふっと笑い出した。
「もう、何やってるのよ」
そう言いながら、けいとは私を抱き上げて部屋の外へ。せっかくの冒険はあっという間に終わってしまったけれど、私は満足だった。
諦めない猫、私は今日も挑む
その日以来、私は何度もその部屋に挑戦している。けいとは私の動きを見張っていて、ドアが開くたびにすぐ追い出されてしまうけれど、私は諦めない。
猫としての好奇心は、止められないのだ。
プーのやさしさ、けいとのあきれ顔
プーは、そんな私をただ静かに見守ってくれる。彼女の大きな体とやさしい目は、どんなイタズラをしても責めることなく、すべてを受け止めてくれる気がした。
けいとも、何度「ダメだよ」と言いながらも、怒ることはない。
冒険と爪とぎが、私のしあわせ
家の白い壁は、今日も私の爪あとで少しずつボロボロになっていく。でも、けいとやゆう子さんはそれを見て、ただ微笑むだけだ。
「もう、わさびぃ」
そう言いながら、私を責めることはない。
私はこの家での生活がますます好きになっていた。毎日、ちいさな冒険があって、家じゅうを探検することができる。けいととゆう子さん、そしてプーとの日々が、私の大切な日常だ。
今日も、新しい冒険を求めて
「さて、次はどこで爪を研ごうかしら?」
そうつぶやきながら、私はまた新しい冒険へと足を踏み出す。
