この物語の主人公は、14歳になる白猫のわさび。おばあちゃん猫だが、若見え。優雅さと落ち着きを持ち合わせた猫。腎臓に持病があり、週に何度か病院へ通いながらゆったりと日々を過ごしている。彼女の目に映る世界は、いつも穏やかで愛に満ちている。この物語は、そんなわさびの目線から綴られる。どうか、一日でも長く愛を注ぐことができますように。
わさびの飼い主、ゆう子さん。60歳。彼女は50歳で離婚し、それを機にデザイン事務所をはじめた。その後、二度目の家づくりと称し、実家の古家をリフォーム。心機一転、スタートを切る。落ち着いて見えるが、実は意外とおっちょこちょい。時折、間抜けな失敗を繰り返しながら、わさびと一緒に過ごすことで心の安らぎを得る。
ゆう子さんの娘、けいと。30歳。大の動物好きで、特にトイプードルの「ころも」を我が子のように溺愛している。デザインとイラストの仕事をしながら、わさびとも深い絆を持っている。けいとは結婚して別の場所で暮らしているが、時々母の家を訪れて、わさびやゆう子さんと作品づくりをしながらのんびりとした時間を過ごしている。
けいとの愛犬、ころも。1歳。トイプードルの女の子。元気いっぱいなのに、なぜか散歩が大嫌い。いつも家の中でエネルギーを発散し、ゆう子さんが顔を出すと興奮して嬉ションしてしまうほど、彼女も家族に深い愛情を注いでいる。
この物語では、わさびがどのようにこの家族の日常を見つめ、どんな冒険をし、どんな感情を抱いているのかが描かれる。彼女の目を通して、普通の日々がどれほど特別なものか、そして家族の絆がどんなに温かいものかを感じてもらえると嬉しい。
「わさびにとったら、いい迷惑かもしれませんが、作者の代弁に一役買ってもらうことにしました。」ー浜辺ゆう子