桜子は、最近知り合った冬木柚に強く惹かれる自分に気づいていた。プロジェクトのミーティングで初めて柚の話を聞いたとき、その落ち着いたリーダーシップと深いビジョンに、桜子は心を動かされた。それまでプロジェクトの盛り上げ役として、いつも前向きで明るい桜子だったが、柚と話すたびに彼女の冷静な判断力と静かな情熱に心を引かれていた。
「私も、柚ちゃんみたいに何かしっかりした目標を持ちたい…」
桜子は、今まで自分が目指す道を曖昧に感じていた。ファッションが好きで、サステナブルファッションというテーマに共感してはいたものの、具体的な方向性はまだ見えていなかったのだ。
ある日、桜子は柚と個別で話す機会を得た。プロジェクトについて相談したいことがあると持ちかけ、2人でオンラインミーティングをセッティングした。画面に映った柚の落ち着いた表情を見て、桜子はすぐに話し始めた。
「柚ちゃん、この前のミーティングで話してたこと、すごく共感したの。私、いつも明るく元気でいたいと思ってるんだけど、将来のことを考えると、自分が何をしたいのかまだはっきりしてなくて…。柚ちゃんみたいに、ちゃんとしたビジョンを持ちたいと思ってるんだ」
柚は桜子の言葉に耳を傾け、優しく微笑んだ。
「桜子さんのエネルギーは素晴らしいよ。リーダーシップって、目標が明確に見えていなくても、まず人を引きつけることから始まると思う。桜子さんには、もうその力があるよ。だからこそ、自分の道は少しずつ見えてくるんじゃないかな」
柚の言葉は、桜子にとって大きな励ましとなった。彼女のリーダーシップは、ただ目標に向かう強さではなく、人を理解し、支える力から成り立っているのだと感じた。
「ありがとう、柚ちゃん。でも、私ももう少し具体的に何がやりたいのか探してみるよ。このプロジェクトを通じて、自分の目標も見つかる気がする」
2人はその後、サステナブルファッションプロジェクトの話に移り、イベントの具体的な計画について意見を交わした。桜子はファッションの知識やトレンドに敏感な部分を活かして、イベントのビジュアルやプロモーションについてアイデアを提案し始めた。
「私、SNSとかインフルエンサーを使ったキャンペーンを考えてみたいの。サステナブルファッションをもっと多くの人に広めるために、ビジュアルでアピールするのが効果的だと思うんだ」
柚はそのアイデアに賛同し、プロジェクトの方向性についてさらに話し合った。
「それは素晴らしいアイデアだね。私たちのプロジェクトは環境への配慮がテーマだから、どうやってそのメッセージを届けるかがすごく重要。桜子さんの感覚を活かして、若い世代に訴えかけられる方法をどんどん提案してほしい」
2人の会話は、プロジェクトの進行とともに、互いの理解を深めるものとなった。桜子は柚のリーダーシップに触れ、自分も新しい視点で物事を考えられるようになっていくのを感じた。そして、桜子は自分の強みである「人を引きつける力」を、プロジェクトにどう活かしていくかを考え始めていた。
その日のミーティングが終わる頃、桜子は決意を新たにした。
「よし、私もこのプロジェクトを通じて、もっと成長する!柚ちゃんみたいに、みんなを支えられるようになりたい!」
次回予告
4人のオンライン交流が深まり、いよいよプロジェクトが本格的に動き出す。メンバー全員が初めてオフラインで顔を合わせる瞬間がやってくる――。
次回、第8話: 「4人のオンライン交流」
桜子、柚、紅葉、紫陽花の4人がプロジェクトをさらに進めるために、オンラインでの交流を深めていく。プロジェクトが大きく動き出す瞬間が近づいている。
環境や社会への配慮を重視したファッションのスタイルや取り組みを指す。具体的には、再生可能な資源やエコ素材を使用した衣類、労働者の人権を尊重した生産過程、使い捨てではなく長く愛用できるデザインが特徴。環境にやさしく、持続可能なファッションの提案が広がっている。
環境省_サステナブルファッション
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ゆず『ビューティフル』MUSIC VIDEO/ 「響き合う」「辿り着く」「大地かき分け芽を伸ばす」…たくさんの素晴らしいワード
響き合う二人にぴったりの曲だと感じました。ナント、ゆずと櫻坂46のコラボ!