バーチャル試着システムの成功に喜んだのも束の間、次の試練が4人に立ちはだかった。メタバースでのイベント開催に向けて準備が進む中、システムの容量を超える負荷が発生し、予期せぬ技術的トラブルが起こったのだ。紫陽花は何度も調整を試みたが、負荷を抑える方法が見つからない。
「これじゃ、イベント当日が危うい…」
紫陽花は焦りを隠せない。桜子、紅葉、柚も、不安を感じつつも、彼女を支えるために全力でサポートすることを決意する。
紫陽花はパソコンの前で何度もプログラムを調整していた。システムにかかる負荷を軽減し、イベントをスムーズに進行させるための方法を見つけなければならない。しかし、エラーは依然として発生し続け、進展が見えない。
「このままだと、メタバースでの試着体験ができない…」紫陽花は悩んでいた。彼女が感じていたのは、自分だけの責任ではない。それでも、プロジェクト全体に影響するという重圧が彼女の心にのしかかっていた。
その時、桜子からのメッセージが届いた。
「大丈夫、紫陽花ちゃん。私たちも一緒に考えるから、一人で抱え込まないで!」
桜子の言葉に、紫陽花は少しだけ心が軽くなった。彼女は孤独ではない。柚も、紅葉も、桜子も、みんなが一緒にこのプロジェクトを成功させたいと願っているのだ。
次の日、4人は急遽ミーティングを開いた。紫陽花はトラブルの詳細を説明し、他のメンバーにサポートを求めた。
「システムの負荷を軽減するためには、もう少しデザインやアバターの動作を軽量化する必要がある。でも、そのためには何かを削らないといけなくて…」
紅葉はその提案を聞いて、静かに言った。
「もし、私のデザインが複雑すぎるのなら、調整してもいいよ。大事なのは、イベントが成功することなんだから」
柚も頷きながら、落ち着いた声で話を続けた。
「私もマーケティングの部分で、簡素化できる部分を見直すよ。リアルな体験とバーチャルの融合を目指してるから、ここで焦らず、着実に成功させよう」
桜子も、これまで温めていたキャンペーンのアイデアを修正し、イベント当日に向けて準備を進めた。4人がそれぞれの役割を見直し、力を合わせてトラブルに立ち向かう姿が、再びチームとしての結束を強めていく。
数日後、紫陽花は再度プログラムを調整し、システムの負荷軽減に成功した。軽量化したアバターがスムーズに動作し、バーチャル試着体験が無事に再現される瞬間、彼女は大きな息をついた。
「これで大丈夫…やっと成功した!」紫陽花の声に、他のメンバーも歓声を上げた。彼女たちはまた一つ、大きな壁を乗り越えたのだ。
次回予告
トラブルを乗り越え、ついにイベントの準備が整う。しかし、成功への道のりはまだ終わっていない。4人がイベント当日に向けて取り組む最終調整とは――。
次回、第12話: 「成功への一歩」
イベント当日が近づき、4人は最終調整に入る。緊張と期待が高まる中、彼女たちは再び力を合わせて未来を切り開く。
環境や社会への配慮を重視したファッションのスタイルや取り組みを指す。具体的には、再生可能な資源やエコ素材を使用した衣類、労働者の人権を尊重した生産過程、使い捨てではなく長く愛用できるデザインが特徴。環境にやさしく、持続可能なファッションの提案が広がっている。
環境省_サステナブルファッション
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この曲を4人にも届けたい。「君たちならできる」