第20話: 次のステップへの決意


大晦日を目前にして

街は慌ただしい空気に包まれていた。年末のセールで賑わうショッピングモールや、帰省の準備に追われる人々の姿があちこちで見られる。そんな中、桜子の家に集まった4人は、今年を振り返りながら静かに過ごしていた。

「なんか、今年もあっという間だったなぁ。」
紅葉がこたつの中でほっと息をつきながら言った。目の前には温かい緑茶と年末の和菓子。窓の外からは時折、新年を迎える準備の音が聞こえてくる。

「ほんと。だけど、私たちにとってはすごく特別な年だったよね。」桜子が笑顔で応じる。

紫陽花は少し考え込みながら、ポツリとつぶやいた。
「そうだね。でも、最初はこんなふうに4人で何かをやるなんて想像もしてなかった。」

「わかる。なんだかんだ、いろんなことがあったけど、こうして一緒にいられるのってすごいことだよね。」柚の言葉には、感謝と少しの感慨深さがにじんでいた。


今年を振り返る4人

「思い出せば、最初の出会いは本当に偶然だったよね。」
桜子が振り返りながら言った。

「そうそう!桜子がオンラインで声をかけてくれたのが始まりだったね。」紅葉が笑いながら答える。

紫陽花は静かにうなずきながらも、少し照れた様子を見せる。
「正直、最初はちょっと不安だったんだ。知らない人たちと何かをやるなんて、自分には向いてないんじゃないかって。」

「それでも、紫陽花がいてくれたおかげで、私たちのアイデアが形になったよね。」柚が感謝の気持ちを込めて言った。

紅葉は思い出したように手を叩いた。
「私、最初に柚と話したとき、本当に頼りになる人だなって思ったよ!リーダーとしての落ち着きがすごく安心感をくれるんだもん。」

「でも、その分プレッシャーもあったよ。でもみんながいたから乗り越えられたんだと思う。」
柚は少し照れたように微笑みながら答えた。


未来への展望

「そういえば、アンケートの結果もだいぶ集まったよね。」
紫陽花がノートパソコンを開きながら言った。

「思った以上にポジティブな反応が多くてうれしい!やっぱり、みんなサステナブルファッションに興味を持ち始めてるんだね。」
桜子が興奮した様子で言う。

「でも、まだまだ課題もたくさんあるよね。」紅葉が現実的な視点を加える。
「素材の調達とか、価格の問題とか。私たちがもっと発信していかないといけないね。」

柚は全員を見渡しながら、しっかりとした口調で言った。
「そのために、来年はもっと大きなプロジェクトに挑戦してみよう。私たちが作ったこの流れを、もっと広げていくために。」

「うん!そのために今年があったんだもんね。」桜子が明るく答えた。


大晦日の静けさの中で

夜も更け、外の喧騒が少しずつ静まっていく中、4人はそれぞれの思いを胸に秘めていた。

「私、来年はもっと自分のデザインをたくさんの人に見てもらいたい。」
紅葉が夢見るように言う。

「私は、もっと技術を磨いて、みんなの役に立てるようになりたい。」
紫陽花が静かな決意を込めて言った。

「私は、これからもみんなの力になれるように頑張る。私たちの夢を形にしていきたい。」
柚が未来を見据えるように言った。

「私は…うーん、とにかく全力で楽しむ!」
桜子の言葉に全員が笑い声を上げた。

「それが一番かもね。」柚が笑顔で答える。


来年への一歩

4人の思いが一つになったその瞬間、外から鐘の音が静かに響いた。年末の特別な空気が、彼女たちの心を少しずつ温めていく。

「よし、来年もみんなで頑張ろうね!」桜子の声に応えるように、全員が力強く頷いた。

未来への決意と希望を胸に、4人は静かに新しい年を迎える準備を進めていった。


次回予告

新年、4人の挑戦が再び動き出す。新しい仲間との出会い、そしてさらなる挑戦が彼女たちを待っていた――。

次回、第21話:「新しいプロジェクトの提案」
未来に向けた大きな一歩が、ここから始まる。
新たなビジョンが生まれ、4人の挑戦は次のステージへと進む――。


サスティナブルファッションとは

環境や社会への配慮を重視したファッションのスタイルや取り組みを指す。具体的には、再生可能な資源やエコ素材を使用した衣類、労働者の人権を尊重した生産過程、使い捨てではなく長く愛用できるデザインが特徴。環境にやさしく、持続可能なファッションの提案が広がっている。
環境省_サステナブルファッション


作者の勝手なオススメソング!「年末のレコード大賞を観ながら書いてます。ドラマ好きの私にとってこの2曲は心震えたもののひとつです。」

Da-iCE – I wonder

Da-iCE /「I wonder」Performance Video

曲全体が未来への期待や、葛藤の中で信じる力を表現しているように感じたので、サステナブルファッションに挑む4人の情熱や絆と重なります。特に、イベント準備に奔走しながらも困難を乗り越える彼女たちの姿に、この曲の歌詞が響きます。繊細で美しいメロディは、彼女たちが夢を追う中で見つけた一筋の光のようです。

  • 関連シーン:第19話「アンケート」で、4人がクリスマス前の街中で奮闘しながら絆を深めるシーンに流したい曲です。

Omoinotake – 幾億光年

Omoinotake | 幾億光年 【Official Music Video】

壮大なスケールの中で自分たちの存在意義を探る曲。夢や未来、そして人々との繋がりを大切にする歌詞が、シナジードリームのテーマそのものを表しているようです。特に、目の前の困難だけでなく、長い目で見た持続可能な未来を描こうとする4人の思いと、この曲の壮大な雰囲気を重ねたい。

  • 関連シーン:第20話「次のステップへの決意」で、彼女たちが今年を振り返りながら未来を誓う瞬間。幾億光年という壮大なフレーズは、彼女たちの希望と、サステナブルな社会を目指す意思に通ずるものではと感じたので勝手な選曲です。

Mrs. GREEN APPLE – ライラック

Mrs. GREEN APPLE「ライラック」Official Music Video

日常の中での小さな幸せや希望。自分らしさを見つけて未来へ進んでいく。その姿勢は、4人の若者たちがサステナブルファッションのプロジェクトを通じて自己発見をし、未来を切り開こうとするシナジードリームの物語と深く共鳴します。

  • 関連シーン:第20話「次のステップへの決意」で、4人が今年を振り返り、それぞれの小さな成功や絆を確認し合う場面に流したい曲です。日々の中で生まれる喜びが、彼女たちにとって新しい一歩を踏み出す原動力となることを期待して。

「今年も残すところ、あと1日。喜怒哀楽、本当にさまざまな経験をさせていただきました。親の残した家をリフォームし、12月から大切に暮らしはじめています。そして、先日、最愛の家族である猫のわさびを虹の向こう側へ見送りました。5回の引っ越しに付き合ってくれたわさび。言葉で言い尽くせない程の感謝の思いがあります。とにかく、悔いのないよう、日々を過ごしていきたいと思います。上の2曲以外にも多くの愛の溢れた曲と歌声に支えられました。」

イラスト・デザイン・文章/浜辺ゆう子

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